Claude Code × 人事|求人票一括生成・面接質問バンク・研修設計・規程ドラフトの自動化
人事部門がClaude Code(CLIツール)を使い、求人票の一括生成、面接質問バンクの構築、研修カリキュラム設計、社内規程ドラフト、法令コンプライアンスチェックを自動化する方法を、コピペ可能なプロンプト付きで解説します。

「求人票を10職種分書くのに丸2日かかる」「面接官によって質問のバラつきが大きい」「研修カリキュラムを毎年イチから作り直している」。人事部門のこうした課題は、Claude Code(ターミナルベースのCLIツール)で解決できます。
本記事では、非エンジニアの人事担当者がClaude Codeを使い、ファイル操作とスクリプト生成で5つの業務を自動化した方法を、そのまま使えるプロンプト付きで紹介します。
人事がClaude Codeを使うメリット — チャットとの違い
Claude Codeが通常のClaudeチャットと異なるのは、ローカルのファイルを直接読み書きし、複数ファイルを横断して処理できる点です。
人事業務では、以下のような使い方が可能になります。
- 職種定義書を読み込み、10職種分の求人票を一括生成してファイルに保存する
- 過去の面接評価シートのCSVを分析し、質問の偏りを可視化する
- 既存の研修資料フォルダを読み込み、新年度のカリキュラム構成案を生成する
- 就業規則のテキストファイルを読み込み、法改正に対応した改定案を新旧対照表で出力する
「1つの質問に1つの回答をもらう」チャットとは違い、複数ファイルを入力し、複数ファイルを出力するバッチ処理がClaude Codeの真価です。
シナリオ1 — 求人票の一括生成(2日 → 45分)
Before: 採用担当者が各部門にヒアリングし、1職種ずつ求人票を作成。10職種分で2日。
After: 職種定義書と企業情報を渡し、10職種分の求人票を一括生成。45分で完了。
実際のプロンプト
以下のファイルを読み込んでください。
- job_definitions.csv(カラム: 職種名, 部門, 必須スキル, 歓迎スキル,
業務内容, 想定年収レンジ, 雇用形態)
- company_info.txt(企業理念、福利厚生、カルチャーの説明文)
10職種分の求人票を一括生成してください。
各求人票の構成:
1. キャッチコピー(求職者の関心を引く一文、30字以内)
2. 募集職種と所属部門
3. 業務内容(箇条書き5〜7項目)
4. 必須要件 / 歓迎要件
5. この仕事のやりがい(3つ)
6. 給与・待遇
7. 選考フロー
8. 企業紹介(company_info.txt から抜粋・要約)
条件:
- 性別・年齢・国籍に関する制限表現を含めない
- 「若手歓迎」「体力に自信のある方」等のNG表現を使用しない
- 各求人票は800〜1200字
- ファイル名: ./job_postings/求人票_[職種名].md
全職種の一覧表も job_postings_summary.csv として出力してください。
よくある失敗パターン
- 職種定義書の情報が薄い: 「業務内容: 営業全般」のような曖昧な記載だと、具体性のない求人票が生成される。部門ヒアリングの段階で「具体的な業務を5つ以上」聞き出しておくことが重要
- NG表現のチェックを忘れる: Claude Codeは指示しなければ「体力に自信のある方」等の表現を使用する可能性がある。プロンプトに明示的にNG表現リストを含める
シナリオ2 — 面接質問バンクの構築
Before: 面接官ごとに質問がバラバラ。構造化面接を導入したいが、質問セットの設計に手が回らない。
After: コンピテンシーモデルを渡し、職種×面接段階ごとの質問バンクを体系的に構築。1時間で完成。
実際のプロンプト
competency_model.csv を読み込んでください。
カラム: コンピテンシー名, 定義, 行動指標, 評価レベル(1-5の定義)
以下の条件で、構造化面接の質問バンクを作成してください。
対象職種: エンジニア, 営業, マーケティング, 管理部門(4職種)
面接段階: 一次面接, 二次面接, 最終面接
各コンピテンシーについて:
1. STAR法に基づく行動面接質問(過去の具体的な行動を引き出す質問)を3つ
2. 状況判断質問(仮定のシナリオを提示して対応を聞く質問)を2つ
3. フォローアップ質問(深掘りするための追加質問)を各2つ
4. 評価基準(各レベルの回答例の要約)
出力:
- 職種ごとにフォルダを作成(./interview_bank/[職種名]/)
- 面接段階ごとにファイルを分割(first_interview.md, second_interview.md, final_interview.md)
- 全質問の一覧を interview_question_index.csv として出力
(カラム: 質問ID, 職種, 段階, コンピテンシー, 質問タイプ, 質問文)
ポイント
面接質問バンクの価値は、面接官の属人性を排除し、公平で再現性のある選考を実現することにあります。Claude Codeでファイルとして出力することで、人事システムへのインポートや面接官への配布が容易になります。CSVで一覧を出力する指示を含めることで、後からの検索やフィルタリングも可能です。

シナリオ3 — 研修カリキュラムの設計
Before: 前年の研修資料を引っ張り出し、内容を見直し、新しいテーマを追加。カリキュラム設計に1週間。
After: 過去の研修資料フォルダと受講者アンケート結果を読み込み、改善版カリキュラムを2時間で設計。
実際のプロンプト
以下のフォルダとファイルを読み込んでください。
- ./training_2025/(前年の研修資料フォルダ。各セッションのスライド概要.md が含まれる)
- training_feedback_2025.csv(受講者アンケート結果。
カラム: セッション名, 満足度(1-5), 実務活用度(1-5), 自由記述)
- skill_gap_analysis.csv(スキルギャップ分析結果。
カラム: スキル項目, 現在レベル平均, 目標レベル, ギャップ)
2026年度の新入社員研修カリキュラム(2週間・10日間)を設計してください。
設計の方針:
1. 前年の満足度4.0未満のセッションは内容を大幅改善
2. 実務活用度が低いセッションは実践ワークを追加
3. スキルギャップが大きい項目を優先的にカバー
4. 受講者の自由記述から改善要望を抽出して反映
出力構成:
- curriculum_overview.md(10日間の全体構成表)
- 各日程の詳細ファイル(./curriculum_2026/day_01.md 〜 day_10.md)
各ファイルに: タイムテーブル, 学習目標, 進行方法, 使用教材リスト,
ワーク内容, 評価方法
- improvement_points.md(前年からの変更点と変更理由の一覧)
- required_materials.csv(準備が必要な教材・備品リスト)
よくある失敗パターン
- 前年の資料を渡さない: 「新入社員研修を設計して」だけでは、一般的な内容になる。前年の実績データを渡すことで、「何が効果的で何が不足していたか」を踏まえた改善が可能になる
- 評価基準を決めていない: 研修の成果をどう測定するかを事前に決めておかないと、「やって終わり」のカリキュラムになる
シナリオ4 — 社内規程のドラフト作成と新旧対照表
Before: 就業規則の改定時、Word上で手作業で新旧対照表を作成。条文の番号ずれを修正するだけで半日。
After: 現行規程ファイルと改定要件を渡し、改定案と新旧対照表を自動生成。2時間で完了。
実際のプロンプト
current_work_rules.md(現行の就業規則テキスト)を読み込んでください。
以下の改定要件に基づき、改定版ドラフトと新旧対照表を作成してください。
改定要件:
1. 在宅勤務制度の新設(第X章として追加)
- 対象者: 全社員(試用期間中を除く)
- 申請方法: 所属長の承認制
- 勤務場所: 自宅またはサテライトオフィス
- 通信費補助: 月額3,000円
- セキュリティ要件: VPN接続必須
2. フレックスタイム制のコアタイム変更
- 現行: 10:00〜15:00 → 改定後: 11:00〜14:00
3. 育児短時間勤務の対象年齢引き上げ
- 現行: 小学校就学前 → 改定後: 小学校3年生修了まで
出力:
- revised_work_rules.md(改定版の全文。変更箇所を【変更】タグで明示)
- comparison_table.md(新旧対照表。条文番号, 現行, 改定案, 変更理由の4列)
- renumbering_log.md(条文番号の変更一覧)
注意: この出力はドラフトであり、施行前に社労士・弁護士のレビューが必須です。
その旨をファイルの冒頭に明記してください。
ポイント
就業規則の改定で最も手間がかかるのは、条文追加に伴う番号のずれ修正と新旧対照表の作成です。Claude Codeに全文を読み込ませることで、条文番号の自動調整と対照表の一括生成が可能になります。ただし、法的な有効性の確認は必ず専門家に依頼してください。

シナリオ5 — 法令コンプライアンスチェック
Before: 法改正のたびに、対象規程を1つずつ確認。該当箇所の特定と影響範囲の洗い出しに丸1日。
After: 改正内容と社内規程ファイル一式を渡し、影響分析レポートを30分で出力。
実際のプロンプト
以下のファイルを読み込んでください。
- law_amendment_summary.txt(法改正の概要テキスト。改正法名、施行日、主な変更点)
- ./company_policies/(社内規程フォルダ。就業規則.md, 育児介護休業規程.md,
ハラスメント防止規程.md, 個人情報保護規程.md, 給与規程.md が含まれる)
法改正の内容と各社内規程を照合し、以下の影響分析レポートを作成してください。
分析項目:
1. 影響を受ける規程の一覧(規程名、該当条文番号、影響度: 高/中/低)
2. 条文ごとの改定が必要な内容(現行の記載 → 改正後に必要な記載)
3. 改定が不要だが確認が必要な箇所
4. 従業員への周知が必要な事項
5. 対応スケジュール案(施行日から逆算)
出力:
- compliance_impact_report.md(影響分析レポート)
- action_items.csv(対応タスク一覧。
カラム: 規程名, 条文番号, 対応内容, 優先度, 担当, 期限)
注意: この分析は初期スクリーニングであり、
法的判断は社労士・弁護士への確認が必要です。その旨を明記してください。
よくある失敗パターン
- 改正内容のテキストが不正確: 法律の原文ではなく、ニュース記事の要約だけを渡すと、重要な変更点が漏れる。官報や厚労省の公式発表テキストを使用する
- 規程ファイルが最新でない: 前回の改定が反映されていない古いファイルを渡すと、分析結果がずれる
導入効果の目安 — Before / After 一覧
| 業務 | Before | After | 削減率 |
|---|---|---|---|
| 求人票作成(10職種) | 16時間 | 45分 | 95% |
| 面接質問バンク構築 | 3日 | 1時間 | 96% |
| 研修カリキュラム設計 | 5日 | 2時間 | 95% |
| 就業規則改定ドラフト | 1日 | 2時間 | 75% |
| 法令コンプライアンスチェック | 1日 | 30分 | 94% |
個人情報の取扱い — 絶対に守るべきルール
人事部門がClaude Codeを使う際、以下のデータは絶対にファイルに含めないでください。
| 入力禁止データ | 理由 |
|---|---|
| 従業員の氏名・住所・連絡先 | 個人情報保護法に抵触する |
| 給与・評価情報 | 機密性の高い人事情報である |
| 健康診断結果・病歴 | 要配慮個人情報に該当する |
| 面接の録音・動画データ | 候補者のプライバシーを侵害する |
| 退職理由・懲戒記録 | 機微情報であり漏洩リスクが高い |
求人票や研修カリキュラムなど、個人を特定しないテンプレート・構成の作成から始め、効果を確認してから活用範囲を広げることを推奨します。
人事部門への導入ロードマップ
Claude Codeを人事部門に導入する場合、以下の段階を踏むことで安全かつ効果的に展開できます。
第1段階(1〜2週目): 求人票の一括生成から開始する。個人情報を一切含まない業務であり、効果がすぐに実感できる。
第2段階(3〜4週目): 面接質問バンクの構築に着手する。構造化面接の導入は採用の品質向上に直結するため、経営層からの理解も得やすい。
第3段階(2か月目〜): 研修カリキュラムの設計や規程の改定ドラフトに活用範囲を広げる。法令コンプライアンスチェックは、法改正のタイミングに合わせて実施する。
導入にあたっては、情報システム部門と連携し、「Claude Codeに渡してよいデータの範囲」を明文化したガイドラインを策定してください。
よくある質問
よくある質問
まとめ — 人事のClaude Codeは「人と向き合う時間」を取り戻す
人事担当者にとってのClaude Codeは、求人票やカリキュラムを代わりに書いてくれるだけのツールではありません。ターミナルから複数ファイルを一括処理し、求人票生成・質問バンク構築・カリキュラム設計・規程改定・法令チェックを自動化するツールです。定型的な文書作成をスクリプト化し、面談・面接・研修など「人と直接向き合う業務」に時間を振り向けてください。
最初の一歩は、次の採用で必要な求人票をClaude Codeで一括生成してみることです。
koromo からの提案
AIツールの導入判断は、突き詰めると「投資対効果が合うか」「リスクを管理できるか」「事業にどう効くか」の3点に帰着します。koromo では、この判断に必要な材料を整理するところからご支援しています。
以下のような状況にある方は、まず現状の整理だけでも前に進むきっかけになります。
- AIで開発や業務を効率化したいが、自社に合う方法がわからない
- 社内にエンジニアがいない / 少人数で、AI導入の進め方に見当がつかない
- 外注先の開発会社にAI活用を提案したいが、何を求めればいいか整理できていない
- 「AIを使えばコスト削減できるはず」と感じているが、具体的な試算ができていない
ツールを使った上で相談したい方はお問い合わせフォームから「Claude Codeによる人事業務の自動化の相談」とご記載ください。初回の壁打ち(30分)は無料で対応しています。
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本記事の更新方針: 本記事は定期的に内容を見直しています。記事内の判断軸・運用パターンは執筆時点での koromo の実務的知見に基づくものであり、個別環境での効果を保証するものではありません。仕様の最新情報は必ず Claude Code 公式ドキュメント をご確認ください。


